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昼間の星・金星に注目

     【2001年2月21日公開】  


 

●金星

 昨年の秋から、夕方の西の空に大変明るい星が輝いています。金星です。

●金星の名前

 この金星、大変明るい星だけに、各地でいろいんな名前でよばれています。金星は、夕方に輝いているときは「宵の明星」。朝方にあるときは「明けの明星」として親しまれています。
 金星は、中国では太白、ギリシャでは女神アフロディテ、ローマではウェーヌスで、英語ではビーナス。仙台の太白山は、この太白(金星)が落ちてできた山という伝承があり、太白区・太白山の由来になっているのが金星です。
 宮城県内ではこの金星、いろいろな呼び方がされていますが、本吉では「オオボシ」、気仙沼では「ユウグレボシ」、また七ヶ浜では「ハネコボシ」や「夜明けのピンゾロ」などともよばれているようです(千田守康氏調査)。

wpe1.jpg (8495 バイト)

2月17日17時20分 パレットおおさき10cm屈折望遠鏡で拡大撮影

●現在、うお座を移動中

 今、金星の輝いている星座が、秋の星座のうお座です。ギリシア神話では、うお座と金星は、ちょっと関係があります。
 金星は、ギリシャ神話の愛と美の女神アフロディテと前述しましたね。
 そのアフロディテと、子であるエロスがユーフラテス川の岸辺を歩いていると、オリュンポスの神々の前に突然、テュフォンという怪物が現れました。そのとき、下半身が魚、半魚の羊となって逃げたのが、牧神パン(やぎ座)。魚の姿となって川へにげたアフロディテとエロスのふたりは・・・・それが、うお座となったわけです。

 ですから、しばらくは(6月上旬まで)、うお座としてのアフロディテと、惑星のアフロディテが同じ場所にいる、というタイミングの良い時期が続くことになります。

●昼間でも見える星

 金星、今(2月中旬〜下旬)が一番明るいころです。正確には、2月22日が、計算上最も明るくかがやく日(最大光輝)で、その明るさは、マイナス4.6等。実に、一等星の100倍以上の明るさでかがやいています。
 星がそんなに明るくかがやくはずがないと思ってしまうと、金星をUFOにまちがってしまうことになります。アメリカで、30年前にパトロール中の警察官が、金星を1時間も追跡したという話を以前聞いたことがありました。

 金星の大きさは地球より少し小さいくらい。地球よりも太陽に近く、そして金星を取りまく厚い雲が太陽の光をよく反射するために、明るく輝いているわけです。

 これほど明るいと、よく晴れた昼間の青空の中、(がんばれば)ポツンと光る金星を「肉眼で」みることができる場合もあります。金星が明るく、金星と太陽との角度が大きい今のうちがチャンスです。
 見つけ方の要領は・・・
 @双眼鏡で、太陽の東40度のところを、だいたい検討つけて見る。
  (太陽は絶対に直視しない!! 3月初旬は約35度。それ以降は太陽に近づき、見つけられなくなる)
  *腕を一杯のばし、指をひろげたとき、親指と人差し指の間隔が約15度。
  *一日の太陽の通り道より、少し北をさがすのがコツ。
  *双眼鏡のピントは、遠くの山などにきちんと合わせておく。
 A双眼鏡で金星が見つけられたら、その方向をよく覚えておいて、肉眼を向ける。
  *木立や屋根などを目印にすると、さがしやすい。ただし、目のピントを雲や遠くの山で合わせておき、木立などに、目のピントが移ってしまわないように。
 A’双眼鏡がなければ、目のピントを遠くに合わせながら、じっくりさがすことになりますが、けっこう難しい。 

視力の良い人はぜひチャレンジしてください。

●これからの金星の動き

wpe7.jpg (14591 バイト)これから、見かけ上の位置が太陽に近づいていき、金星は細くなっていきます。同時に、地球にも近づいてくる分、大きく見えてきます(右の図の大きさは、実際のスケールの400倍で描いています)。
 日に日に、細く大きくなっていく様子を望遠鏡でとらえていくのもおもしろいでしょう。
 その際、太陽の強烈な光にはくれぐれもご注意下さい。

 

 

 

 

 

 

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